- ■日時 平成30年10月26日(金) 午後6時15分〜午後8時15分
- ■会場 文化産業信用組合 会議室
(千代田区神田神保町1-101 神保町101ビル3階)
- ■会費 7,000円
- ■企画 出版研究センター
- ■主催 出版ビジネススクール事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷2-25-6 ニューライトビル1024
TEL(03)3868-2814 / FAX(03)3868-2824
ご参加のおすすめ
本が企画されてから実際に産み出され、市場で読者と出会い、やがて、その使命を終えるまでの過程において、出版社が為すべきことは多岐に渡ります。ITの影響によって現場での実務は大きく変わりつつあります。ですが、変わらぬ本質も存在しています。
今回の講座では、本の一生を支える出版販売の仕組みと、その中で特に営業担当者が為すべき実務について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
《主な講演内容》
◎講座の内容は、時間の都合で若干変わる場合があります。
- 0.出版社の営業が為すべきこと
- ・本来の業務と現実の業務
- 避けては通れない「内向き」の仕事 → 折れるのか、合意するのか
- 原理原則はシンプルに → 標準的なやり方はトータルのコストも手間も減らす
- 変わること変わらないこと → 外的要因は突然やってくる
- 変えること変えないこと → 変化には常に意志が伴う
- 手段と目的を混同しない → 頭を冷やして考える
- 継続と集中 → 飽きても続けられる仕組みがあってこそ頑張りを発揮できる
- 1.企画・構想
- ・マーケティングの4P(Price・Place・Product・Promotion)
- マーケットインとプロダクトアウト
- ・読者のニーズを知るための市場調査の実際
- 調査のためのインフラとしての共有書店マスタとPOSデータ
- ・持ち込み企画から見えてくるニーズ
- 読みたいヒトより書きたいヒトの時代 → 自費出版という形態
- ・読者との接点をどう構築するか
- 読者はどこにいる? → 読者のいるところで売るという基本を考える
- ・企画会議の前提となる販売の数字を把握する
- 納品・返品・売上・実売・在庫・市中(店頭)在庫
- ・なるべく長く売るための原価設定
- ・ISBNコード(日本図書コード)について
- 2.事前の告知と宣伝
- ・「発売してから」だった書籍、「発売までに」の雑誌
- ますます重要になる新刊時の立ち上がり → 書籍も「発売までに」がより重要に(JPRO)
- ・多様な告知の手法を知る
- 広報宣伝・JPRO・自社サイトやSNS・書店営業・FAX・郵送DMなど
- ・JPRO(JPO出版情報登録センター)について
- 3.新刊配本・進行の実際(返品は別項)
- ・書籍: JPRO登録(書籍進行委員会)・見本進行〜部決、雑誌:企画書での進行=部決
- ・配本数のコントロール
- 指定配本・パターン配本 → 取次とどう向き合うか
- ・委託販売制度と再販制について
- 取次⇔出版社と、取次⇔書店は違う → 書店は当月精算?
- 再販売価格維持契約書の内容と例外事項を知る → 出版社にできることできないこと
- 大学生協はなぜ割引販売できるのか
- 4.書籍の受注と納品(返品は別項)
- ・受注の種類
- 補充/客注/採用/フェア → 返品になるかならないか?
- ・受注の方法
- 書店営業/DM(FAX・郵送)/Webでの受注(出版社による受注サイト)/電話営業
- ・出荷条件と売上
- 注文・買切・延勘・長期委託・常備寄託
- 歩戻・返品運賃・特別報奨金
- (取次)請求業務と経理業務 → 分離することのメリット
- ・書籍注文情報の流れ
- 短冊・電話・FAXから新出版ネットワーク(出版VAN)によるEDIへ
- 書店→取次→出版社→倉庫
- ・業務システムとの連携
- 5.書籍の販売促進
- ・書店営業(販売促進)と広告宣伝の連携は可能か?
- ・メディアへの露出と対応
- 広告・広報(出版社が働きかけるもの)
- 書評とその効果(働きかけのあるなしに関わらず発生するもの)
- アマゾンはメディアか?(従来とは違うところで起こるクチコミの怖さ)
- ・一覧注文書
- 営業が使うのか、書店が使うのか
- ・個別注文書
- 事前注文の最重要ツール
- ・販売企画・フェア等
- 取次や書店本部との連携
- ・常備寄託
- 継続は力
- ・棚や平台の確保
- 書店在庫は出版社の出先在庫ではない
- POPの効果
- 6.ロングセラーの販促
- ・自社広告の活用
- 限られた予算の中で行う販促
- ・WebサイトやSNSの活用
- コストか手間か
- ・ていばん・必備・フェア企画等
- 返品との戦い
- ・常備寄託
- 7.書店や読者との直接の取引
- ・直販(読者への直接販売)
- 取次・書店を経由しない販売方法
- リストを用いた読者の囲い込み
- ・直取引(書店との直接取引)
- 取次を経由せず書店と直接取引する方法
- 直納との違いと、直納の方法
- オンライン書店との直接取引
- 8.書籍や雑誌の返品
- ・返品の種類
- (新刊)委託返品・注文品の返品・常備返品・フェア等の返品・採用返品
- コントロールできることとコントロールできないこと
- ・雑誌返品の流れ
- 書店→取次→破棄断裁
- ・書籍返品の流れ
- 書店→取次→倉庫
- 現地古紙化という大きな変化
- ・逆送・返品了解書
- 誰が逆送しているのか
- ・返品のコスト【重要】
- ・改装と再出荷
- 9.電子書籍は物流の問題を解決するか
- ・電子書籍と在庫・流通・返品改装
- ・電子書籍は永遠に売り続けることができるのか
- 電子書籍のフォーマットとその永続性
- ・電子書籍の権利
- 「公衆送信権」と「出版権」
- 二次利用の範囲
- 10.書籍の増刷
- ・増刷のための市場調査(POSデータ)
- ・在庫管理と部数の決定
- ・付物(カバーやスリップの管理)
- ・増刷に合わせた広報宣伝と販売促進
- 11.断裁・廃棄・品切・絶版
- ・廃棄・断裁の対象となる書籍
- ・在庫の資産管理(断裁証明書と損益計上)
- ・品切と絶版の違い
- ・書籍の死亡届
- ・改訂・復刊・電子化・プリントオンデマンド
- ・次の企画へ
【講師略歴】高島 利行(たかしま としゆき) 氏
1965年、北海道生まれ。
書店アルバイト・コンピュータ関連出版社を経て、(株)語研入社。
現在取締役営業部長として勤務。
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