“文字もの”電子書籍の可能性

コミックだけが電子書籍じゃない! 専門実用書・電子書籍の取組み

講師:O2O Book Biz株式会社 代表取締役社長 落合 早苗 氏
  :株式会社パピレス 代表取締役社長 松井 康子 氏
  :専修大学 文学部教授 博士(コミュニケーション学) 植村 八潮 氏


■日時 平成28年9月12日(火) 午後6時15分〜午後8時15分
■会場 文化産業信用組合 会議室
      (千代田区神田神保町1-101 神保町101ビル3階)
■会費 7,000円
■企画 出版研究センター
■主催 出版ビジネススクール事務局
      〒113-0033 東京都文京区本郷2-25-6 ニューライトビル1024
      TEL(03)3868-2814 / FAX(03)3868-2824

ご参加のおすすめ

 書籍や雑誌の販売が落ち込む中、この7月、インプレスから2016年度の電子書籍市場が1,976億円、電子雑誌市場で302億円という堅調な伸びを示す数値が発表されました。しかし電子書籍市場では依然としコミックが8割を占めており、文芸書や実用書、専門書等のいわゆる“文字もの”をどう売っていくか、というのは長らくの課題です。
 この1年を振り返ると、パピレス『犬耳書店』ほか、医書専門出版社による『医書.jp』、マイナビ出版が技術書版元に呼びかけて立ち上げた『Tech Book Zone Manatee』、山と渓谷社の『図鑑.jp』といった専門型のストアの新規出店が目を引きます。
 ほかにも書店や取次が企業などの法人向けにサービスを展開するなど、コミック以外の電子書籍販売促進に明るい兆しもありました。
 第1部では「電子書籍ビジネス調査報告書2017」での取材を通じて得た最新動向をレポート。 出版社が電子出版ビジネスにおいて収益化を図るには、どうしたら良いのか。実例を紹介しながら、その戦略を考えます。
 第2部では、パピレスがこれまでにない電子書籍の新しい販売サイトとして開始した『犬耳書店』を取り上げ、実用書をばらして、ユーザが読みたいトコだけ買えるという、従来の書籍の形にこだわらないサービスを紹介し、今後の電子書籍“文字もの”のあり方について考えます。



《主な講演内容》

◎講座の内容は、時間の都合で若干変わる場合があります。
第1部
講演:電子書籍・電子雑誌ビジネス最新動向 落合早苗氏
・「電子書籍ビジネス調査報告書2017」(インプレス総合研究所)ハイライト
・本の“ディスカバラビリティ”(発見される能力)向上のために
・出版社のDigitizeの道は電子書籍・電子雑誌だけではない
第2部
講演:読みたいトコだけ買える電子書籍の新サービス『犬耳書店』の挑戦 松井康子氏
・『犬耳書店』誕生の背景
・『犬耳書店』の特徴とメリット、サービス状況
・電子書籍“文字もの”の今後のあり方について
第3部
ディスカッション:『“文字もの”電子書籍の可能性 コミックだけが電子書籍じゃない! 専門実用書・電子書籍の取組み』
司会 植村八潮氏  ・落合早苗氏×松井康子氏

【講師略歴】落合 早苗(おちあい さなえ) 氏

O2O Book Biz株式会社 代表取締役社長
出版社、IT関連会社などを経て2009年より(株)hon.jp代表取締役社長。
2015年6月に会社分割を実施、新会社O2O Book Biz(株)を設立。O2O Book Bizでは電子出版系のマーケティング、コンサルティングを主業務とし、日本出版インフラセンター・出版情報登録センター運営支援や電子図書館システムのメタデータ整備等のインフラ回りから出版物のプロデュースや販売促進まで出版全域に幅広く対応。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長, 日本出版学会会員
共著:『電子書籍ビジネス調査報告書2017』(インプレス総合研究所編/インプレス)など。

【講師略歴】松井 康子(まつい やすこ) 氏

株式会社パピレス 代表取締役社長
大学院在学中、富士通(株)のベンチャーとして1995年に創立したばかりの(株)パピレスに入社。日本初の電子書籍販売サイト「電子書店パピレス」のWEB編集に従事。その後、経営企画など管理部門に携わり、2006年副社長に就任。2007年には電子書籍のレンタル販売サイト「Renta!」を開始。2010年に(株)パピレスは東証JASDAQに上場。2012年6月より代表取締役社長に就任。
巴比樂視網路科技股份有限公司董事長, (株)ネオアルド取締役, PAPYLESS GLOBAL, INC. CEO

【講師略歴】植村 八潮(うえむら やしお) 氏

専修大学文学部教授 博士(コミュニケーション学)
1978年東京電機大学出版局勤務、同局長を経て、2012年より専修大学文学部教授(博士)及び(株)出版デジタル機構代表取締役に就任。2014年(株)出版デジタル機構取締役会長を退任。
専門は出版学で日本の電子書籍の研究・普及・標準化に長らく携わってきた。
日本出版学会会長,納本制度審議会委員 IEC(国際電気標準会議)TC100/TA10(eブック標準化分科会)マネージャー
著書:『電子出版の構図:実体のない書物の行方』(印刷学会出版部,2010年)、
『電子書籍制作・流通の基礎テキスト』(ポット出版、2014年、編著)
『ポストデジタル時代の公共図書館』(勉誠出版、2017年、共編著)