出版流通激変時代の契約リスク

―流通企業やプラットフォーマーなどとの契約問題から学べること―

講師:鳥飼総合法律事務所 弁護士 生野 聡 氏
司会:出版ビジネスコンサルタント(出版・著作権等管理販売研究会事務局長)
堀 鉄彦 氏


■日時 2015年9月3日(木) 午後6時15分〜午後8時30分
■会場 岩波セミナールーム
      (岩波ブックセンター裏3F、神田神保町交差点 徒歩2分)
■会費 7,000円
■企画 出版研究センター
■主催 出版ビジネススクール事務局
    〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-11
    TEL(03)3234-7623 / FAX(03)3238-9420

ご参加のおすすめ

  • 市場の急激な縮小と、同時に進行する「プラットフォームの変貌」によって、出版ビジネスの中にいろいろな形で新たな「契約リスク」が表面化した。
  • 栗田出版販売の民事再生法申請では、 返品の取扱いを中心に、出版取引慣行の商法上の位置付けについての議論を巻き起こされた。
  • このほか、ITプラットフォーマー」との契約、1月の著作権法改正後の著作者との契約など、ビジネス環境の変化に対応するため、いろいろな場面で「契約リスクへの対応」を改めて考え直す時期にきている。
  • 出版ビジネスを取り巻く新たな契約リスクとその対応について、昨年9月まで経産省メディア・コンテンツ課課長補佐を務め、 様々なプロジェクトに直接かかわってきた鳥飼総合法律事務所の生野聡弁護士に、解説してもらう。


《主な講演内容》

(◎講座の内容は、時間の都合で若干変わる場合があります。)
(1)出版コンテンツを取り巻く契約の変化
 出版ビジネスコンサルタント(出版・著作権等管理販売研究会事務局長) 堀 鉄彦 氏

・デジタル化と著作権法改正により加速
  作家との契約
  「プラットフォーマー」支配の強化
・出版市場縮小で流通企業破綻によるリスクも
・自らリスクヘッジするために「契約チェック」が非常に重要な時代に突入

(2)「契約リスク」とその対応
 鳥飼総合法律事務所 弁護士 生野 聡 氏

1.高まる「契約内容」チェックの重要性
  ・契約リスクはどのような点に起因するか。
    リスク要因となるあいまいな部分の代表的な事例

2.流通との契約
  (1)紙の出版物
    「取次破綻」でもめた部分と明らかになった契約のあいまいさ
    出版流通との契約の留意点
  (2)電子出版物
    プラットフォーマーとの契約の留意点

3.著作者との契約
  ・経産省WGでの議論
  ・非親告罪化など今後予想されるリスク
  ・アドバンスへの対応やファーストオプションなど欧米型契約に学ぶこと

4.利用者との契約
  ・プラットフォーマーとの契約で浮上した「永久ダウンロード」問題
  ・自炊問題などの今後のリスクに対応する

5.海賊版対策、2次創作対応などその他のリスク
  ・「ひな型」の使い方
  ・ひな型を変更することの可否
  ・ひな型で補えないところはどこか

6.他業種における契約
  ・他業者から学べるところはどこか
  ・音楽業界、映画業界、放送業界・・・

7.プラットフォーマーの契約戦略に学ぶこと
  ・契約として何が認められ、何が認められないのか
  ・独禁法ガイドライン変更の見方

8.出版契約の今後──マルチプラットフォーム時代への対応に際して

【講師略歴】

生野 聡 (しょうの さとし) 氏

筑波大学附属駒場高等学校卒業。東京大学法学部卒業。
東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻修了。
第二東京弁護士会所属。
2012年10月〜2014年9月 経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課に
出向(課長補佐)
2014年10月 当事務所復帰
取扱分野:企業法務,知的財産権・エンタメ法務,インターネット関連法務,
一般民事,刑事事件など


堀 鉄彦 (ほり てつひこ) 氏

出版ビジネスコンサルタント。1986年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。
2015年3月日経BP社退社。
日経イベント(プロモーション専門誌)、日経パソコン、日経ネットナビの編集部を
経て、コーポレート管理室でメディア業界動向調査を10年以上にわたって担当。
経産省コンテンツ海外展開情報基盤整備委員会委員(平成25年)、
経産省出版海賊版有識者委員会委員(平成23年〜)
出版の主要業界団体である雑協(著作権、デジタル著作権、デジタル広告)、
書協(ライツWG)、電書協(著作権員会)、電流協などの委員会に参加。
平成25年からは出版50社の版権・ライツ担当者の集まりである出版・著作権等
管理販売研究会事務局長を務める